2020年07月01日号
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artscapeレビュー

three展

2012年02月15日号

会期:2012/01/06~2012/01/29

資生堂ギャラリー[東京都]

若手作家の支援を目的とする「アートエッグ」シリーズの第1弾は、その名のとおり3人組のユニット「three」。作品はふたつあり、ひとつは、メインギャラリーに天井から糸で約7千個のキャンディやグミを吊るし、全体で家の輪郭をかたちづくったインスタレーション。観客は1個ずつとって食べることができ、包み紙は1カ所に集められる。会期が進むにつれ家のかたちは下端から徐々に崩れていき、反対に包み紙(ゴミ)の山が大きくなっていく趣向だ。もうひとつは、大きく波打たせた壁一面に約6万5千個の醤油差しをとりつけ、そこに都市風景や群衆の映像を投影したもの。魚型の醤油差しが1個1個ピクセルと化しているのが笑える。どちらもポップな日常品を多数用いて現代社会のおかしさを突いているが、それだけでなく、アートオタクが喜びそうな謎解きも隠している。前者は、キャンディの山から観客に1個ずつとってもらうフェリックス・ゴンザレス・トレスのインスタレーションを逆転させたものだし、後者の波打つ壁は国立新美術館のファサードを想起させずにはおかない。ただ、家のかたちがわかりづらく、波打つ壁も完成度が低かったのが惜しまれる。

2012/01/13(金)(村田真)

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