artscapeレビュー

中山玲佳「Sleeping diary──楽園へ」

2012年02月15日号

会期:2012/01/21~2012/03/10

MORI YU GALLERY KYOTO[京都府]

昨年VOCA賞を受賞した中山玲佳の個展。鳥や動物、植物などのモチーフは見たことがあったのだが、今展で展示されていた新作には、教会などの建築彫刻や宗教絵画に登場する天使や使者のような人物のモチーフも描かれていた。唐草模様のようにうねりながら画面に広がる鮮やかな色彩と無数の繊細な鉛筆の線、それをいっそうドラマチックに印象づける闇のような黒い色面。圧倒的な迫力も感じる中山ならではの物語性にあふれた作品世界は、さらに神秘性を増して、なおかつ逞しい生命感にも溢れていた。3月には京都市立芸術大学ギャラリー @KUCAで開催される「New Contemporaries」 展(3月3日~25日)にも出品の予定だという。楽しみにしている。


会場風景

2012/01/31(火)(酒井千穂)

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