2019年12月01日号
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artscapeレビュー

絵画の在りか the way of PAINTING

2014年08月15日号

会期:2014/07/12~2014/09/21

東京オペラシティアートギャラリー[東京都]

相変わらず展覧会で絵画はよく見かけるけど、「絵画の現在」を特集した企画展は意外なほど少ない。ほとんどないといってもいい。記憶にあるのは、06年の「エッセンシャル・ペインティング」と10年の「絵画の庭──ゼロ年代日本の地平から」くらい。どちらも大阪の国立国際美術館の企画で、しかも前者は欧米の作家のみだったため、日本人のもやれという声に押されて後者を企画したと勝手に解釈しているのだが、とにかくそれほど日本では絵画の展覧会が成立しにくいようなのだ。なぜか? それは本展のカタログのなかで堀元彰氏も書いてるように、絵画があまりに多様化してもはやひとつの基準では計れず、展覧会としてまとまらないからだ。だからこの展覧会も明確なテーマを打ち出すことなく、「絵画の在りか」といういささか投げやりなタイトルをつけるしかなかったのだ、たぶん。でもぜんぜん方向性が見出せないわけでもなく、わずかながら示してはいる。それは絵具や支持体など物質性の強調であり、その結果としての表象性から抽象性への傾きだ。これはよくわかる。ここに出ている24作家による約110点の作品の大半は具体的イメージを伴っているものの、いわゆる具象画とは呼べるものは少ない。たとえば小西紀行は家族の肖像を描いてるらしいが、われわれの目はなにより大胆なストロークに引きつけられる。今井俊介の絵画は幾重にも重なった旗のようにも見えるし、抽象パターンの組み合わせにも見える。五月女哲平と高木大地の作品も同じく具象的イメージと抽象パターンを行ったり来たりする。どうやら具象とか抽象とか、ポップとかミニマルとか、なんとか主義やなんとかイズムに染まらずに絵を描くことができる、いや、絵を描き続けなければならない時代なのだ、いまは。

2014/07/08(火)(村田真)

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