artscapeレビュー
《海遊館》
2014年08月15日号
[大阪府]
ケンブリッジ・セブン・アソシエイツが手がけた《海遊館》を訪れた。まずエスカレーターで一気に最上階までアクセスする。屋上の屋外展示を経て、室内に入ると、やがて目玉となる巨大な水槽に出会う。スペクタクル的な空間のスケールをもつ、十字の水槽のまわりを降下しながら、さまざまな角度と高さから鑑賞しつつ、その脇にも異なる環境の展示空間を付設する。なるほど、よくできた動線だ。とくに同一の小さな水槽に対して、高さを変えて何度か観察できるのが興味深い。自然が創造する生物の造形の凄さと多様さをこれだけ見せつけられると、美術館より水族館の集客があるのもうなずける。
2014/07/20(日)(五十嵐太郎)