artscapeレビュー
《はじまりの美術館》
2014年08月15日号
[福島県]
猪苗代湖に向かい、《はじまりの美術館》を見学した。築120年の古い蔵をリノベーションし、アール・ブリュットの美術館に変えたものだが、美術に閉じることなく、今後は周囲の住民を巻き込む活動を展開するという。オープニング展は、専門的な美術教育を受けていない作家と、いわゆる現代美術家と等しく組み合わせている。建物の設計は竹原義二であり、蔵の中に小さな蔵をつくるような展示室群だ。また縦横の両軸とも、端から端まで、建物を貫通し、向こうの風景まで見える視線の抜けが抜群だ。それにしても、蔵は全長33mもあり、もとの梁のあまりの太さに度肝を抜かれた。
2014/07/25(金)(五十嵐太郎)