artscapeレビュー
荒川望 展
2014年08月15日号
会期:2014/07/15~2014/07/27
ギャラリーモーニング[京都府]
風景や植物などをモチーフにしていながらも抽象性が高いのは、流れるようなタッチとその色彩による空間性の効果なのか。全体には、柔らかく穏やかな印象で目にも心地よいのだが、見る角度によってもこちらの意識によっても、その境界が曖昧になる図と地、色の組み合わせの少し心許ない雰囲気が魅力的だ。今展ではこれまでとは画風の異なる鮮やかな色が印象的な作品も展示されていた。活動歴も長く、作風に安定した定着感もある作家。その新たな挑戦と意気込みもうかがえた個展で、また今後の活動が楽しみ。
2014/07/20(日)(酒井千穂)