artscapeレビュー
秋山はるか個展「星にさわる」
2014年08月15日号
会期:2014/07/29~2014/08/03
同時代ギャラリー[京都府]
白っぽい表面の塗装とところどころ欠けた(わざと欠いた)断面の様子が、一見、木彫にも見えた秋山はるかの陶芸作品。洋服の襟、ベルト、本、椅子などさまざまなものをモチーフにした手捻りの作品だ。土を削った痕から、何層にも重ねた粘土で制作されていることもうかがえる。ぽってりとしたそれらの厚みや貫入の表情にも趣があり、不思議な美しさも感じられる。じっくり見ると、そのフォルムもモチーフもユーモラスだったのでつい笑ってしまったが、同じ時に、会場を訪れていた高齢の男性が、若い秋山にいろいろ質問している光景も微笑ましく印象深かった。なかなか素敵な作品と時間だった。
2014/07/29(火)(酒井千穂)