artscapeレビュー
Grow up!! Artist Project 2014 報告会
2015年03月15日号
会期:2015/02/13~2015/02/19
アサヒ・アートスクエア[東京都]
GROW UP!! ARTIST PROJECT2014の報告会へ。大崎晴地の障害者の家プロジェクトは、バリアフリー化に向かうのではなく、その特殊条件をポジティブに読み替えて、既存の枠組みを外し、新しい建築的な提案を行なう。模型やドローイングが並び、建築畑の人にも興味深い内容である。次に毛利悠子の展示を見る。5階は、地下鉄の天井からの漏水に対する駅員のブリコラージュ的処置を記録したモレモレ東京のフィールドワークの成果を紹介する。4階はキッチンとトイレを使い、人工的に水漏れ現象を起すが、ワークショップで、参加者と水漏れ対策を行なうという。島貫泰介を司会に迎え、「即興建築としてのモレモレ東京」のトークを行なう。通行人の邪魔をせずに、天井からの漏水を近くの柱や壁に誘導し、床に帰着させるというシンプルな条件だが、その中間のデザインは実に多様だ。モレモレ東京の宝庫と聞いて、帰りに浅草の古い地下街(1955)に寄ったが、なるほど、すごい密度で存在する。これに対応する担当の人の、野生の思考というか、知恵がまた面白いらしい。
写真:上から、大崎晴地「障害者の家プロジェクト」、毛利悠子の展示、モレモレ東京のフィールドワーク、浅草の地下街
2015/02/14(土)(五十嵐太郎)