2019年07月15日号
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artscapeレビュー

佐久間里美「○△□」

2015年03月15日号

会期:2015/01/24~2015/03/08

POETIC SCAPE[東京都]

東京・六本木のIMA galleryで開催された「LUMIX MEETS JAPANESE PHOTOGRAPHERS#2」展(2015年1月21日~29日)に参加するなど、このところ精力的に作品を発表している佐久間里美の個展が、東京・目黒のPOETIC SCAPEで開催された。ただし、出品作の「○△□」は既発表の作品であり(15点中8点は新作)、その意味での新鮮さはない。デジタルカメラで「エレクトリカルな人工光」の乱舞を撮影して、新たなコンセプトを展開した「LUMIX MEETS JAPANESE PHOTOGRAPHERS#2」展の出品作「Snoezelen Landscape」と比較すると、むしろ表現意識が後退しているように見えてしまう。ただ、都市風景を色面の連なりとして再構築していく「○△□」が、若い世代の表現意識を典型的に指し示す作品であることは間違いない。今後も彼女の代表作として評価を高めていくのではないだろうか。
ところで、ちょうど海外に出ていたので見過ごしてしまった「LUMIX MEETS JAPANESE PHOTOGRAPHERS#2」展だが、佐久間の他に加納俊輔、水谷吉法、山崎雄策、Kosuke、山本渉が出品していた。たしかに、力のある写真作家をフィーチャーしているのだが、カタログを見る限り、どうしても小綺麗に小さくまとまってしまっている印象を拭いきれない。表面性へのこだわりや軽快な画像構築への志向は、たしかにこの世代の特徴といえるのだが、これだけ「切っても血が出ない」貧血気味の作品が並ぶと、これでいいのかと思ってしまう。なお、この展覧会はもともと「TOKYO 2020」というタイトルで企画されていたのだが、東京オリンピックに関連してJOCが商標登録しており、使えなくなってしまったのだという。何とも後味が悪い顛末だが、それ以上に2020年の「日本写真」がこの程度のものとはとても思えない。

2015/02/14(土)(飯沢耕太郎)

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