artscapeレビュー

解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話

2015年03月15日号

会期:2015/02/26~2015/03/01

シアタートラム[東京都]

世田谷パブリックシアターにて、オノマリコ作、稲葉賀恵演出の『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』を観劇する。長いスパンで時代を行き来する雰囲気は『奇跡の年』と共通するが、建築という記憶の器を主題とし、オノマ自身が舞台となる東京女子大に在籍していたリアリティから、より楽しめた。物語は、異なる寓意的なキャラの女子学生たちのめまぐるしい4年間の生活と重ねあわせながら、体育館とその保存運動を描く。が、建物の具体的なイメージは一切見せず、それゆえ、記憶の物語としての普遍性をおびる。そして女優たちは「走る」ことで、乙女の身体を獲得していた。

2015/02/27(金)(五十嵐太郎)

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