2019年07月15日号
次回8月1日更新予定

artscapeレビュー

菅木志雄「もの」が開示する「状況のオリジン」

2015年03月15日号

会期:2014/11/02~2015/03/24

ヴァンジ彫刻庭園美術館[静岡県]

クレマチスガーデンの小道を歩いてヴァンジ彫刻庭園美術館へ。菅木志雄の個展には似つかわしくない環境だが、館内はシンプルなつくりで展示空間としては悪くない。でもヴァンジさんの人物彫刻が気になるなあ。菅さんの作品は屋外やロビーにも置いてあるのだが、どうやら水のない池の石をビニールで包んだり、窓に角材を斜めに立てかけた作品などは、ヴァンジ目当ての客には見過されてしまってるようだ。てか、コンクリートの立方体を矩形に並べたり、金属パイプを立体的に組み立てたりしたインスタレーションが、はたして人物彫刻を見に来た人たちの目に「作品」として認識されただろうか。「もの」が開示する「状況のオリジン」が、どこまで理解されただろう。「あら、準備中?」で終わらなかっただろうか。逆に、菅さんの作品を見に来た人たちには、メダルド・ロッソから舟越桂まで近代彫刻のエッセンスをサンプリングしたようなヴァンジの彫刻は、それなりに衝撃的だったはず。その意味では異質なものが出会う展覧会だった。

2015/02/07(土)(村田真)

2015年03月15日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ