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artscapeレビュー

アメリカン・スナイパー

2015年03月15日号

クリント・イーストウッド監督の映画『アメリカン・スナイパー』を見る。「国家」のために、そして戦場で仲間を救うために、異国において160人以上を撃ち殺した精密な殺人機械となる「英雄」的な兵士が、イラクから家族のいる母国の「日常」に戻るたび、人として壊れていく。単純な愛国とも、反戦とも言えない。戦争が人の精神に及ぼす影響を描いた作品である。実話をもとにした映画だが、最後にアメリカに帰国した主人公の身に降りかかる悲劇は、運命の皮肉と言うしかない。

2015/02/27(金)(五十嵐太郎)

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