2019年07月15日号
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artscapeレビュー

水谷吉法「COLORS/ TOKYO PARROTS」

2015年03月15日号

会期:2015/02/03~2015/03/10

IMA gallery[東京都]

IMA galleryで開催された「LUMIX MEETS JAPANESE PHOTOGRAPHERS#2」展(2015年1月21日~29日)にも出品していた水谷吉法が、同会場で初個展を開催した。本欄でも何度か書いているように、水谷のように街をデジタルカメラで切りとって、パソコンの画面を思わせる鮮やかな色面のパターンとして再構築する若い写真家たちの仕事が、この所だいぶ目につくようになってきている。単なる流行というだけではなく、そこには、最初からデジタルカメラを使って撮影しはじめたこの世代(水谷は1987年生まれ)のリアリティが色濃くあらわれているということだろう。
だがこのままだと、都市空間と写真のあり方とをオートマチックに、何の抵抗感もなしに結びつけ、画像化してまき散らすだけに終わりそうな気がする。記憶、感情、身体性、他者性、地域性──どんなファクターでもいいので、写真化のプロセスに何らかのノイズを挟み込んで、のっぺりとした眺めに風穴をあける必要がありそうだ。それとともに、特に「COLORS」のシリーズにいえることだが、複数の写真を組み合わせて提示する時に、思いつきだけに頼るだけではなく、ロジカルな思考力を発揮してより強固な「構造化」をめざしてほしいものだ。
その意味では、今回展示されたもう一つの作品「TOKYO PARROTS」の方に面白さを感じた。輸入された鮮やかな黄緑色のインコが、東京都内で野生化して大量発生している状況を捉えたシリーズだが、均質化しつつある都市環境における異物に着目する視点が明確にあらわれている。この方向をさらに突き詰めていけば、彼らの世代から、頭一つ抜け出していくことができるのではないだろうか。

2015/02/17(火)(飯沢耕太郎)

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