2024年03月01日号
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artscapeレビュー

中村ケンゴ展「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング1994-2014」

2015年03月15日号

会期:2015/01/04~2015/02/15

掛川市二の丸美術館[静岡県]

三島からこだまで掛川へ。駅から目的地へ歩いて行く途中、歩道に彫刻が置かれていたり、商店が昔ながらの白壁に統一されていたり、街並の美観に気を使ってるのはわかるけど、ハンパ感は否めない。目指す二の丸美術館は掛川城(といってもお屋敷風)の奥。中村ケンゴの個展は1階の展示室の半分と地下の1室を使ったもので、美術館とはいえ規模的には大きめの画廊程度か。作品は手塚マンガのフキダシやキャラクターの輪郭ばかりを組み合わせたり、ウェブ上の記号を用いて抽象画を構成したりしたもので、モチーフは現代日本、素材は日本画だから、タイトルは「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング」。作品の大半は見たことあるが、部屋の間取り図をモンドリアン風に彩色した「コンポジション・トーキョー」シリーズ40点が一堂に会したのは壮観だった。しかし掛川出身でも静岡出身でもない中村がなぜこんなところで個展を? その答えが、1階の展示室の残り半分で紹介している「ななつおひろめ、めでて、めでたく」という展示。これは掛川の現代美術研究会がプロデューサーの山口裕美さんの協力のもと、2007年から毎年アーティストに茶道具を制作してもらい、茶会でお披露目してきたプロジェクトで、今回はそのうちのひとり中村ケンゴをクローズアップしたってわけ。このプロジェクトにはほかにも名和晃平、土屋公雄、ひびのこづえらが参加している。今日はケンゴくんのトークとガイドツアーがあって、これから足湯に浸かりに行くというので誘われたけど、もう1カ所行くところがあるのでパス。

2015/02/07(土)(村田真)

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