2019年09月15日号
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artscapeレビュー

御苗場 横浜2015

2015年03月15日号

会期:2015/02/12~2015/02/15

パシフィコ横浜[神奈川県]

総入場者数6万5千人を超えるという日本最大のカメラ・写真の総合イベント「CP+2015」。ほとんどは撮影、プリントの機材のブースなのだが、その一角で隔月刊の写真雑誌『ファットフォト』を刊行し、各種の写真講座を企画しているCMSが主催する「御苗場 横浜2015」が開催されていた。
今回で16回目になる「御苗場」は、まだ初心者といっていい撮り手を中心とした写真作品の発表の場であり、料金を払って縦横数メートルのブースを借り、そこに4点以内の作品を展示するというシステムになっている。今回のブースの数は一般用、学生用合わせて300余りであり、会場をびっしりと埋め尽くす様はなかなか壮観だった。CMSを主宰するテラウチマサトをはじめとする6名のレビュアーが選ぶ賞もあり、「自分の未来に苗を植える場所」、「日本最大級の参加型写真展」として順調に成長しつつあるといえるだろう。
2月14日に会場内で開催されたトークイベントに参加したので、展示された写真をざっと見たのだが、たしかに数年前に比べて技術的にも、内容的にも作品のレベルは格段に上がっている。ただ当然ながら、写真家として突出した存在感を発している出品者はいなかった。気になるのは、作品が均質化していることで、たしかに風景、スナップ、ポートレート、私写真、演出写真と表現の幅は広いのだが、心揺さぶるような不穏な空気感を発しているものはほとんどない。気持ちよく目に飛び込んでくる、感じのいい写真ばかりがこれだけ並んでいるのは、どこか不気味でもある。ここでの展示をきっかけにステップアップしていく、その踏み台として利用していってほしいと思うが、「その次」のステージをきちんと準備していくことが、課題となるのではないだろうか。
ウェブサイト:http://www.cpplus.jp/

2015/02/14(土)(飯沢耕太郎)

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