artscapeレビュー
ダンボールで再現した国宝茶室、如庵に入ってみよう
2011年02月15日号
会期:2011/01/02~2011/01/16
ハウスクエア横浜 住まいの情報館 3Fライブラリー[神奈川県]
不慮の事故で亡くなった山田幸司の遺作というべきダンボール茶室が名古屋から移築されて、横浜で展示された。Yahoo!や各種の新聞、メディアなど、多くのマスメディアがとりあげたのは、「ダンボール」「国宝」「茶室」という3つのキーワードがキャッチーだったからだろう。ひたすらダンボールを積層させて空間をつくる手法は、3Dの立体スキャンのようなデジタル感覚だが、実際に解体の作業に立ち会い、モノに対するディテールのデザインもきわめてよく考えられていることを確認した。実はハウスクエア横浜の展示が終了後、廃棄される予定だったが、最終日に訪れたお茶関係のグループが引きとりたいと申し出て、厳しいスケジュールにもかかわらず、無事、部材は次の場所に搬出された。ポータブルな茶室ならではの生き残りだろう。次は、2月19日、20日の大場みすずが丘地区センター祭りで再び組み立てられる予定だ。
2011/01/16(日)(五十嵐太郎)