artscapeレビュー

SHIBU Culture──デパートdeサブカル

2011年02月15日号

会期:2011/01/25~2011/02/06

西武渋谷店 美術画廊[東京都]

80年代には池袋店に次いでよく通ったものだが、21世紀になって入るのは初めてかもしれないと思いつつ、すっかりブランドショップ街と化した西武渋谷店B館の1階を抜けてエレベータで8階へ。ロリコン系の絵画、イラスト、写真、人形などを集めたサブカルならぬ「シブカル」展が開かれている。中身は、昨夏、森下泰輔の企画で川崎市市民ミュージアムでやった「ガーリー2010」と重なる(出品作家は松山賢らを除きほとんど重なってない)が、デパートでもいよいよこういう作品をあつかう時代になったか、さすが腐っても西武、と少し見直したのも束の間、やっぱりオチましたね。会期途中に中止の知らせ。「展示内容が百貨店にふさわしくない」との苦情が寄せられたそうだ。それじゃなにかい?「おたくは百貨店にふさわしくない」とクレームをつければ店をたたむつもりかい。そんな理不尽な苦情に応じてなにが「サブカル」だ。やっぱり西武はオチるとこまでオチたなあ。いやそんなことより気をつけなければならないのは、こうした苦情が昨年暮れに可決した東京都のいわゆる「性描写規制」条例改正案と連動しているのではないかということ。そもそも苦情を寄せたのは、西武によれば複数の個人だというが、出品作家のひとりによれば「ある公的団体」とのことで食い違っている。いずれにせよ確かなことは、とてもイヤーな流れになりつつあるということだ。

2011/01/25(火)(村田真)

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