2021年12月01日号
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artscapeレビュー

「オー!マイキー ロマンス──オー!マイキー10年の歩み」展

2011年02月15日号

会期:2010/12/23~2011/02/06

京都国際マンガミュージアム[京都府]

京都出身の美術家で「キュピキュピ」主宰者でもある石橋義正が監督、脚本、編集を手がける登場人物がすべてマネキンの短編ドラマ「オー!マイキー」。日本在住のアメリカ人一家という設定だが、今展は放映10周年を記念して開催された。その誕生から現在までの活動や経緯、海外での発表をパネル、マネキンなどの展示、映像で紹介。ベルリン国際映画祭で招待上映されたり、各国で放映されていたことは聞いていたが、放映国や、上映の数がこれほど多いとは知らなかった。会場に勢揃いした登場人物のマネキンが京都の会社、吉忠マネキン製だということも、博物館網走監獄に展示されているマネキンにも同じモデルがあるということも今展で初めて知ったのだが、じっくりと見るとそれぞれの表情がまるで生きているよう。じつに精妙であるのにも感心した。会場ではテレビドラマもモニタで上映されていたが、それを見ながら笑うわけでもなく、しかし食い入るように画面を凝視していた若い親子連れが印象的だった。テンポの良い掛け合いで展開するドラマの、個性的なマネキンたち、ときに理解しがたいオチの不条理なギャグにいつのまにか釘付けになってしまうのは私も同じだ。登場人物のひとつは網走監獄のちょうどこの日はコスプレ・イベントも開催されていて、老若男女、ファッションも年齢層もじつにさまざまな人々で賑わい、会場もまさに溢れかえっていた。マンガミュージアムならではの光景。今展もこの場にぴったりの展覧会だった。

2011/01/29(土)(酒井千穂)

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