2022年07月01日号
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artscapeレビュー

「その他」のチカラ。森村泰昌の小宇宙

2011年02月15日号

会期:2010/11/20~2011/03/13

兵庫県立美術館[兵庫県]

所蔵品を中心に、コレクターO氏が蒐集した作品を含む83点で構成された展示には、活動初期の頃の写真作品や立体作品から、陶器、書などもあるのだが、なかにはアーティスト紹介などの記事ではなく背景として作品が掲載された雑誌までありじつに多彩。 特に面白かったのは、「ポートフォリオ」によって、身体の部位をセルフポートレイトにするシリーズのひとつであり、「手」をテーマにした 1996年の《ポートフォリオ「手」TE》のビデオ作品。 森村氏本人が手がけた小説のストーリーが音楽とともに字幕で綴られるシンプルな映像作品なのだが、記憶をめぐるその物語の場面や情景が実にリアルで、かつ次の場面の展開への期待を誘う。目も足もまさに釘付けになってしまった。 小企画とされているが、 同時開催の企画展とは別のアーティストの一面がうかがえる同館ならではの見応えある内容で見逃してはもったいない。

2011/01/22(土)(酒井千穂)

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