artscapeレビュー

任意の点を「R」とした展覧会

2011年07月15日号

会期:2011/06/04~2011/06/19

竜宮美術旅館[神奈川県]

竜宮美術旅館は、横浜の日ノ出町にある和洋折衷のラブホ(時代的に「連れ込み旅館」というべきか)を改装したアートスペース。外壁は赤と白で装飾され、風呂場や水回りには魚や女性のレリーフが飾られている一見の価値あり建築だ。その竜宮(=R)を中心に1キロ圏内でゲットした素材を作品に採り入れるという条件で、横浜界隈で活動するアーティスト9人が参加。和室で福島原発の葬式を行なった今井紀彰、畳の上にミラーボールの屏風を置いたタムラタクミ、ペインティングに駄菓子屋で買ったゴム製ウンコをちりばめた吉井千裕、廊下に巨大な剣を突き刺した杉山孝貴など老若男女、テーマも形式もさまざま。むしろこの多様性が奇妙な建築空間と相まって、展覧会の強度を高めているように思えた。あ、ぼくも小品を出してました。

2011/06/04(土)(村田真)

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