2019年07月15日号
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artscapeレビュー

東明 展「ground work」

2012年08月15日号

会期:2012/07/10~2012/07/22

アートスペース虹[京都府]

東明の個展。会場の床に、複数の布地を縫い合わせたカラフルな生地が広がっていた。空気をはらむと大きくドーム状に膨らんでしばらく形が崩れない。ユニークな見た目もさることながら、そのなかの空間に入って遊ぶことができるのがまた楽しい。ピクニックシートとしても使えそうと実用的なイメージも掻き立てられる作品だ。まわりに無造作に置かれていたのは《ピョンピョンパラシュート》。摘んで空中に放り投げるとカメやウサギ、車の形などに膨らんで、ふわりと地面に落下する玩具。こちらも、地面に着地してもしばらくは萎まず形を保っている。素材にはアウトドア用品などに使われる極薄のハイテク生地を使用しているそうなのだが、着地したときの形もコロコロと丸くてかわいらしい。東は以前からこのようなパラシュート作品を制作している。見る度に軽やかで、形状も崩れにくいものに“進化”しているから感心してしまう。ほかには、どこを切ってもハニカム構造が現われるというブルーシートを用いた作品もあった。これまでさまざまな手法で作品を制作、発表してきたが、東の作品の多くには、構造物の内側と外側、表裏、空間や隙間といった要素が意識され、それらを鑑賞者が実際に体験したり体感できるような一貫性がある。今展は、訪れた人たちが自然に笑顔になるような作品で素敵だった。


展示風景

2012/07/15(日)(酒井千穂)

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