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大地の芸術祭──越後妻有アートトリエンナーレ2012

2012年08月15日号

会期:2012/07/29~2012/09/17

新潟県十日町+津南町[新潟県]

上越新幹線、ほくほく線を乗り継いで十日町で下車、受付を済ませてプレス用バスツアーで出発。同乗したのは、ピー浜美術館館長やピー浜市芸術文化振興財団専務理事やピー日新聞美術記者やピー摩美術大学教授やピーメディア・デザイン研究所所長など美術関係者が多いせいか、ボランティアのガイド(ピー原プー子さん)は専門的な解説を避け、明るく楽しくをモットーに振る舞っていた。まず向かったのはアジア写真映像館。廃校となった小学校の校舎でロンロン&インリ、森山大道、石川直樹ら日中の写真や映像を公開しているが、こんな場所で見せられてもな。続いて鉢&田島征三の絵本と木の実の美術館でメシ食って、松代の農舞台に寄り、松之山のオーストラリア・ハウス、マリーナ・アブラモヴィッチの《夢の家》、ジャネット・ローレンスの《エリクシール/不老不死の薬》、ローレン・バーコヴィッツの《収穫の家》などを訪れた。このうち農舞台の新作とオーストラリア・ハウス以外は、いずれも既存作品を改修したりヴァージョンアップさせたもの。オーストラリアは以前、古い農家を借りて作品を見せていたが、地震で全壊したため別の場所に作家の滞在施設も兼ねた展示施設を新築。力を入れてるなあ。再び松代に戻り、昨年亡くなった中原佑介氏の約3万冊もの蔵書を積み上げた川俣正のインスタレーションを鑑賞。これは圧巻。最後にBankART妻有に寄って、十日町の越後妻有里山現代美術館「キナーレ」のオープニングへ。この現代美術館は原広司設計の交流館の回廊部分をギャラリーにしたもの。中央の中庭にはクリスチャン・ボルタンスキーの古着を積み上げたインスタレーション、ギャラリーにはカールステン・ヘラー、レアンドロ・エルリッヒ、ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー、クワクボリョウタらの作品が並んでいる。こんな場所に並べられてもな。夜は松代のBankART妻有に宿泊。

2012/07/28(火)(村田真)

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