2019年07月15日号
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artscapeレビュー

ZINE/ BOOK GALLERY 2012

2012年08月15日号

会期:2012/07/01~2012/08/31

宝塚メディア図書館[兵庫県]

昨年からスタートした手づくり、あるいは自費出版の写真集を一堂に会する「ZINE/ BOOK GALLERY」が、今年も兵庫県宝塚市の宝塚メディア図書館で開催された。今年は応募総数123点、そのうち66点が入選作品として、さらに昨年の応募者を中心に28点が招待作品として会場内に展示された。昨年にくらべると、かなりクオリティが高くなっている。また、そのうち44点は実際に会場内で販売された。ZINEの愉しみのひとつは好きな本を購入できるということなので、これもとてもよかったと思う。
7月22日には、飯沢耕太郎、綾智佳(The Third Gallery Ayaディレクター)、堺達朗(Boos DANTELION代表)、寳野智之(MARUZEN & ジュンク堂梅田店芸術書担当)を審査員として、出品作からグランプリと個人賞を決める公開審査・公表会も開催された。ちなみにグランプリに選ばれたのは京都造形芸術大学在学中の22歳の若い写真家、石田浩亮の『ZINE(題名なし)』。
友人たちのカラフルなポートレートのシリーズだが、勢いのあるカメラワークと、テンポよく写真を並べていくレイアウトのうまさが高く評価された。僕が個人賞(飯沢賞)に選んだ、くたみあきら『ソファを運ぶ』もそうなのだが、ZINEにはやはり一般的な写真集とは違う独特の表現領域があると思う。思いつきをどんどん形にしていくスピード感、用紙の選択やデザイン、レイアウトなどの自由度の高さなど、ZINEならではの面白さをもっと大胆に追求していってほしい。こういうイベントの積み重ねから、いい作家が出てきてほしいものだ。

2012/07/22(日)(飯沢耕太郎)

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