artscapeレビュー

冨倉崇嗣 展

2012年08月15日号

会期:2012/07/16~2012/07/28

Oギャラリーeyes[大阪府]

冨倉崇嗣の新作展。油彩やアクリル絵の具、合成樹脂塗料などで着彩した絵画。全体の色彩や画面に描かれた世界から、視線や意識がだんだん画面の細部のモチーフやその形状に引き寄せられるのは、ときどき冨倉の作品世界を読み解くための「鍵」のようなイメージ(モチーフ)を見つけるせいも大きい。風の流れる方向や時間を想像させる小さな植物や旗の向き、ひらひらと舞う色とりどりの紙の表現。現実から空想の世界にパッと翻るようなイメージが画面に見つかり、想像をどんどん膨らませるので何度も作品の前に立ってしまうし見飽きない。


展示風景

2012/07/28(土)(酒井千穂)

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