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大地の芸術祭──越後妻有アートトリエンナーレ2012

2012年08月15日号

会期:2012/07/29~2012/09/17

新潟県十日町+津南町[新潟県]

朝、十日町に出て芸術祭のオープニング。いつもキナーレの広い中庭で行なうのだが、今回はボルタンスキーが古着を敷きつめてしまったため使えず、駐車場の隅っこで華々しい開催となった。再びバスに乗って見学ツアー。今日のガイドさんは今回の芸術祭の公式ガイドブックの編集も手伝ったピー峰プー佳さんで、『中原佑介美術批評選集』の編集にかかわっているため、車内で披瀝してくれた「大地の芸術祭と中原批評」はとても示唆に富んでいた。今日はまず、津南町にある蔡國強のドラゴン現代美術館(アン・ハミルトンの個展を開催中)を訪れ、近くの廃屋でやっていたアン・ハミルトンの音の出る作品を鑑賞。昼食のソバをたぐってから、JR飯山線アートプロジェクトを見に行く。利用客が減る一方のローカル線の駅にアートを設置して活性化させようという試みで、越後田沢駅のアトリエ・ワンと河口龍夫による《船の家》、下条駅のみかんぐみ+神奈川大学曽我部研究室による《茅葺きの塔》のふたつ。下条駅の近くでは小沢剛らが明治初期の《油絵茶屋》を再現している。十日町に戻り、廃校に土の作品を集めた《もぐらの館》を見て、最後に中心街の空き店舗を利用した4組の作品を回り、駅前で解散。

2012/07/29(水)(村田真)

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