artscapeレビュー

2011年08月15日号のレビュー/プレビュー

「WHITE 桑山忠明 大阪プロジェクト」展

会期:2011/06/18~2011/09/19

国立国際美術館[大阪府]

国立国際美術館の「WHITE 桑山忠明 大阪プロジェクト」展。大きなスペースに多くの作品を置くのではない。例えば、片面の壁だけを使う。ここまで展示の余白をとらせてもらえるとは、なんとも贅沢な展示だ。ある意味ではほかの作品の排除であり、共存不可能ということだが。ほとんど白い(しかし、違う)表面の作品が反復しつつ並び、むしろそれを包み込む空間が作品化されている。

2011/07/23(土)(五十嵐太郎)

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堂島リバービエンナーレ2011「Ecosophiaーアートと建築」

会期:2011/07/23~2011/08/21

堂島リバーフォーラム[大阪府]

堂島リバービエンナーレ2011も初日に訪れた。杉本博司+永山祐子、森万里子+隈研吾の共同作品など、建築とアートをテーマに掲げ、両者を絡めようとする挑戦は評価したい。が、磯崎新の孵化過程を唐突においても、知っている人は知っているが、文脈を共有しない人にはよくわからないと思う。建築を展示することの難しさも考えさせられる。大量に展示された、空間的な造形に展開するアニッシュ・カプーアの模型群は興味深い。

2011/07/23(土)(五十嵐太郎)

JR東日本「大阪ステーションシティ」

大阪駅ほか[大阪府]

大阪駅のステーションシティでは、伊勢丹とルクアによるノースゲートとプラットフォームをおおう大屋根がダイナミックな空間を形成している。ニッポン的なエキナカの巨大化・複雑化の最前線と、ヨーロッパ的な古き駅の空間が融合しつつ、未来的な場所が出現した。伊勢丹のインテリアもがんばっている。

2011/07/23(土)(五十嵐太郎)

借りぐらしのアリエッティ×種田陽平 展

会期:2011/07/23~2011/09/25

兵庫県立美術館[兵庫県]

映画美術監督・種田陽平による、映画『借りぐらしのアリエッティ』のセット、監督がこれまでに手がけた映画美術の資料、スタジオジブリによるイメージボード、アニメーション映画制作資料などが展示されている会場は初日から多くの人で賑わっていた。私がじつは『借りぐらしのアリエッティ』を観ていないのだが、この展覧会は子どもだけでなく大人も楽しめる。展示は2カ月をかけて完成したということだったが、それも会場に入って納得。映画美術のスケールの大きさと、そこであらゆるものを制作する職人達の技術の凄さは想像以上。スタジオ・ジブリの手書きアニメへのこだわりも含めて盛りだくさんの内容。
7月23日(土)酒井千穂

2011/07/23(土)(酒井千穂)

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美術のなかのかたち──手で見る造形「桝本佳子 展──やきもの変化」

会期:2011/07/16~2011/11/06

兵庫県立美術館[兵庫県]

兵庫県立美術館で毎年開催されている実際に手で作品に触れてみることを前提にした企画展。今年は陶芸作家の桝本佳子の作品が並んだ。ユニークなのは、兵庫陶芸美術館の所蔵する古陶作品の「写し」を桝本が制作、その隣に展示して、さらにそれらからインスパイアされた新作を発表していたこと。「用」という陶器本来の意味目的にもアプローチする作家の毒気と、ユーモラスで大胆な動物モチーフは見ているだけでも痛快。だがここでは、会場に用意されたアイマスクをつけて、手で触れるという体験もぜひしてみてほしい。私は陶器の表面の感触や感覚のイメージの違い、全体のかたちを想像することの難しさも実感した。なんにしろどの点をとっても興味深く面白い。もう一度行きたい展示だ。
7月23日(土)酒井千穂

2011/07/23(土)(酒井千穂)

2011年08月15日号の
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