artscapeレビュー

2014年10月15日号のレビュー/プレビュー

プレビュー:龍野アートプロジェクト2014 日波現代芸術祭 流れFlow

会期:2014/11/02~2014/11/16

ヒガシマル醤油元本社工場/旧銀行洋館[兵庫県]

兵庫県たつの市龍野町で2011年より開催されているアートプロジェクト。実演芸術に注目した4回目の今回は「流れ Flow」がテーマ。音楽、舞台、美術が融合した現代芸術祭が江戸時代からの歴史をもつ醤油蔵(国登録有形文化財)にて開催される。会期中の土日には、コンサートをはじめ、パフォーマンスやワークショップ、ガイドツアーなど関連イベントが多数行われるので、スケジュールをチェックしてから出かけたい。美術の参加アーティストは大舩真言、谷澤紗和子、宮永匡和、ミロスワフ・バウカ、アレクサンデル・ヤニツキ。龍野はかつて城下町として栄えた地域。古い歴史の風情を残す町並みや建物が多く残る町なので散策するのも楽しいだろう。
龍野アートプロジェクト2014公式サイト:http://tatsuno-art-project.com/

2014/10/06(月)(酒井千穂)

プレビュー:TAO XIANG UOO「出土」-SHUTSUDO-セカンドストレイタムを掘り起こす

会期:2014/11/22~2014/11/30

ミミヤマミシン[大阪府]

アジア風味に、プリミティヴな創造力のかたまり、ドローイングなどを発表するアーティストユニットNEOTAOのOda Momokoによるジュエリーと置物のブランドの展覧会。「出土品」というテーマが興味深く、販売と展示が同時に行われる。

2014/10/07(火)(松永大地)

プレビュー:ランデヴー 光と脳のインタラクション

会期:2014/10/30~2014/11/06

京都芸術センター[京都府]

光の変化と鑑賞者の脳波をインタラクティヴな作品として発表する試み。感覚の快、不快が示すものを、知性との関係としてどのように見せるのか、最終的な映像、空間表現にも期待が高まる。プロジェクトチームは森公一、真下武久、堀翔太、横山明敏。

2014/10/07(火)(松永大地)

カタログ&ブックス│2014年10月

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

プロトタイピング——模型とつぶやき

著者:藤村龍至、五十嵐太郎、ケン・タダシ・オオシマ
発行:LIXIL出版
発行日:2014年09月25日
サイズ:A5判、160頁

建築家・藤村龍至の初めての作品集。多くの模型を時系列順に並べ、変化を観察しながらアイデアを組み立て、かつ施主とデザインを共有していく藤村の設計手法は「超線形設計プロセス論」と名付けられ、藤村龍至建築設計事務所で一貫して取り組まれてきたメソッドです。 本書ではそのプロセスで更新されていく模型と解説コメント(つぶやき)の連なりによって、思考のメソッドと進化のプロセスを明らかにしていきます。 収録される作品群からは藤村の10年間の活動を俯瞰することができ、建築を都市や経済、社会の力学のなかに位置づけ直す藤村独自の視点が浮かび上がります。五十嵐太郎、ケン・タダシ・オオシマによる解説も掲載。日英バイリンガル。[LIXIL出版サイトより]


時間のヒダ、空間のシワ…[時間地図]の試み

著者:杉浦康平
AD:杉浦康平
デザイン;新保韻香
発行:株式会社鹿島出版会
発行日:2014年10月15日
サイズ:29.5 x 22.2 x 0.9 cm、100頁

時間を軸にして、これまでに見慣れた空間地図や地球儀を変形する試み。多視点から解析して生みだされたデータ群を再構成し、新しい視点を加え図像化する。数々の伝説的なヴィジュアルデザインを生みだした杉浦康平が、1960年代から挑戦しつづけた「ダイアグラムデザイン」、「時間地図」群の全貌…。 初期ダイアグラムを共作した松岡正剛との対談をはじめ、多木浩二によるエッセイ、かつて時間地図の編集・制作にかかわった、村山恒夫・赤崎正一らによる寄稿・インタビュー、後半では、建築家・白井宏昌やhclab.の若手クリエーターが、時間地図のデジタイズによって、<スギウラ時間地図>の試みを解読する…。[本書そでより]


takram design engineering|デザイン・イノベーションの振り子

著者:田川欣哉、渡邉康太郎、緒方嘉人
デザイン:町口景、小関悠子
発行:LIXIL出版
発行日:2014年09月15日
サイズ:A5判、160頁

建築から未来のコンセプトカーまで、ユーザーインタフェースから和菓子まで。東京とロンドンをベースに、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集い、独自の進化を続けるクリエイティブ・イノベーション・ファーム takram design engineering による、2014年の最新書籍。本書は、takramが仕事の中で培ったノウハウ・プロセス・思想を、多くのダイアグラムを用いて余すことなく解説。「デザイン」と「エンジニアリング」/「ものがたり」と「ものづくり」/「抽象」と「具象」など、2つの領域を往来する「振り子の思考」は、takramに通底するテーマであり、本書のタイトルにも反映されています。複雑な問題を複雑なまま紐解き、創造へと昇華するための方法論を説明するとともに、それらが結晶化した最新プロジェクトの事例を豊富なビジュアルとともに紹介していきます。[LIXIL出版サイトより]


戦後日本住宅伝説─挑発する家・内省する家

著者:建畠哲、五十嵐太郎
フォーマットデザイン:刈谷悠三
発行:株式会社新建築社
発行日:2014年07月05日
サイズ:29.7 x 22.2 x 1.3 cm 、168頁

埼玉県立近代美術館、広島市現代美術館、松本市美術館、八王子市夢美術館を巡回する「戦後日本住宅伝説─挑発する家・内省する家」展のカタログ。丹下健三「住居」(1953)から伊東豊雄「中野本町の家」(1976)、安藤忠雄「住吉の長屋」(1967)まで 、16人の建築家によるいまや伝説ともなっている住宅を検証する展覧会。展示されていた写真、図面のほかに16人の建築家によって発表された建築・住宅についてのマニフェストや自身の作品についての論考を採録。巻末に「戦後日本住宅年表」も収録。五十嵐太郎監修。

2014/10/14(artscape編集部)

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