artscapeレビュー
川瀬理央展
2017年04月15日号
会期:2017/03/27~2017/04/01
ギャラリー白3[大阪府]
まるで毛細血管のように細かな枝を張り巡らせた樹木。川瀬理央の作品を簡単に説明すると、こうなる。彼は京都精華大学で陶芸を学び、現在は大阪産業大学デザイン工学部 建築・環境デザイン学科で非常勤助手をしながら制作活動を行なっている。グループ展こそ豊富だが、個展は今回で2度目という新進作家である。作品は磁土による陶オブジェだが、造形の細かさが尋常ではない。手びねりのひも状パーツを型に沿わせながら造形しているというが、ここまで複雑な形態をつくり上げ、キープするには、独特なノウハウが必要だと思われる。作品のテーマは聞いていないが、盆栽にも通じるミクロコスモスを感じた。また、神話に登場する生命樹や、アニメ映画『天空の城ラピュタ』に登場する浮遊都市の巨木も連想した。筆者が自分のSNSに投稿した彼の作品の画像には、多数の「いいね」や「リツイート」が付き、一般の反応も上々のようだ。今後の活躍が期待される若手作家として注視していきたい。
2017/03/27(月)(小吹隆文)