artscapeレビュー
周代焌 「Back To」
2017年04月15日号
会期:2017/03/24~2017/04/02
BankARTスタジオNYK[神奈川県]
台北市と横浜市のアーティスト交流プログラムで横浜に滞在し、BankARTのスタジオで制作していた周さんの成果発表展。福島の原発事故に触発されたという想像上の災害場面を、ロープや有刺鉄線といった具体的イメージと抽象的な色と線の組み合わせで描いている。目を引くのは支持体で、基本キャンバスなのだが、大きめの作品は枠に張らず、四隅にハトメを入れて天井から吊るしているのだ。しかも隅が引っぱられて尖ってるようにカットしたりしていて、支持体をイメージの単なる置き場にするだけでなく、それ自体でなにごとかを語らせようとしているのだ。逆に、小さめの作品は5センチほどの厚みを持たせたり、10×140センチという超横長の画面にしたり、ありきたりのキャンバス画に抵抗を試みている。
2017/03/22(水)(村田真)