artscapeレビュー
ホセ・ルイ・セルト《ミロ美術館》
2017年04月15日号
[スペイン]
ポストモダン的な《カタルーニャ美術館》に対し、ホセ・ルイ・セルトによるジョアン・ミロ財団は、品がよいモダニズムによるストレートな展示空間で、美術家と建築家の相互信頼さえ感じられる。弧を描く採光装置が屋根に並ぶ特徴的な外観、床レベルをゆるやかなスロープでつなぐシークエンスなど、清々しい。ミロ財団では、企画展「Self-organization」で1960年代以降の、自らが主体となる語りを回復するアートの流れをたどる。
2017/03/29(水)(五十嵐太郎)