2019年08月01日号
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artscapeレビュー

ハツネ☆フェス2010

2010年10月15日号

会期:2010/09/10~2010/10/11

横浜市中区初音町上通り[東京都]

黄金町バザールの一環で、この界隈ではもっとも山の手(?)に近い初音町上通りにある数件の商店や民家に作品を設置する試み。長者町でも展示していた清水寛子は、呉服屋のショーウィンドーに障子紙を貼った屏風を置いて影絵を投影し、吉井千裕は、元呉服屋を改装したアートショップ「ちりめんや」にペンで描いた夢の絵を飾り、志村信裕はそのちりめんやの横の路地に反物の映像を夜だけ流し、さらにちりめんやの店主、竹本真紀は黄金町一帯にモノ思う少年「トビヲちゃん」を潜ませていた。そんななかで最優秀作品賞に輝いたのは、ジャーン! 北川純でーす。昭和の面影が残る商店のガラス戸を開けると、正面にピンク色のほっこりとした壁。その中央に傷口のような黒い縦長の穴が開き、ジッパーがついている。エロチックな作品が得意な北川だけについ女陰を連想させるが、それだけでなく、フォンタナの切り裂かれたキャンバスや、アニッシュ・カプーアの底の見えない穴も想起させる、深い作品なのだ。

2010/09/17(金)(村田真)

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