2020年07月01日号
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artscapeレビュー

石上純也 展

2010年10月15日号

会期:2010/08/24~2010/10/17

資生堂ギャラリー[東京都]

建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか? この長ったらしいタイトルを縦にしたら出品作品のひとつになるかもしれない。という、建築展とは思えないほど楽しい展覧会だ。だいたい石上の作品は美術館やギャラリーでしか見たことがないし、それも薄いテーブルがかろうじて立っていたり、銀色の巨大な立方体が宙に浮いていたりという、とても建築とはいえないものばかり。おそらく彼にとって建築とは、人のかかわる空間を創出すること、くらいのゆるい定義でしかないようだ。今回はそんな彼のイメージトレーニングのような建築プランを60個ほど、スケッチ程度のマケットとメモにまとめて公開したもの。たとえば、どこまでも水平な橋をつくって地球を一周させ、柱のいらないリング状の橋にしてしまう「水平の橋」とか、高い壁で海水をせき止めて海底を新しい陸地に変えてしまう「海のなかの環境」とか、フツーの建築家なら考えない、いや考えちゃいけないような奇想天外なプランも多い。がしかし、ドバイあたりではかつて実現不可能と見られていた夢のような建築が次々とつくられているのだから、ひょっとしたらこれから実現できてしまうかもしれない。そうなったら環境問題とか構造計算とか資金集めとか大変そう。

2010/09/24(金)(村田真)

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