artscapeレビュー
2011年06月15日号のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス│2011年6月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
「P+ARCHIVE」 PROJECT DOCUMENTATION
「地域・社会に関わるアートアーカイブ・プロジェクト」 P+ARCHIVE 一年の活動記録
「地域・社会と関わるアート」に関するアーカイブ施設の創設を目指して、2010年から活動を開始したP+ARCHIVEプロジェクト記録集。アーカイブの運営者、研究者、アーティストとして自身の活動を記録し続ける川俣正などを招いた連続レクチャーや、現在進行形のアート・プロジェクトを実際にアーカイブ化することを試みた月1回の研究会などの全記録がまとめられている。
東京アートポイント計画 Tokyo Art Research Lab アートプロジェクトを評価するためにー評価の〈なぜ?〉を徹底解明 評価ゼミ レクチャーノート
2010年7月から2011年2月まで開催されたTokyo Art Research Lab「アートプロジェクトを評価するために—評価の<なぜ?>を徹底解明」の記録集。8回の評価ゼミ講座内容とゼミ生が発表した「自ら実践してみたと思う評価」、関係者のテキストを編纂した一年の活動記録。
以下のサイトからPDFがダウンロードできる。
・Tokyo Art Research Lab
・企業メセナ協議会
凝縮の美学─名車模型のモデラーたち─
本書では、それぞれにこだわりをもったアマチュアのモデラーたちに焦点をあて、彼らが手がけた珠玉の名車作品と、完成へのプロセスを豊富な図版とともに紹介する。特に巻頭の図版ページは、作品の精緻さと美しさで見るものを一気にその世界へと引き込む。その他、作品のモデルとなった名車の世界や模型の歴史、また多くのモデラーたちがあこがれるイギリスのウィングローブをはじめとする国内外のプロモデラーの仕事を紹介する。究極の模型づくりに情熱を傾けるクリエイションの世界を堪能できる一冊。[INAX出版サイトより]
IDEA No.346:羽良多平吉 イエス・アイ・スィー
「ウレシイ編輯、タノシイ設計。」をキーワードに、書籍や雑誌を中心に活動するエディトリアルデザイナー、羽良多平吉。その魔術的ともいえるイメージ編集やタイポグラフィ感覚、補色を活かした彩色術による唯一無二のデザインを展開し、多くのファンを魅了してきた。本特集では羽良多の40年以上にわたる活動をジャンルごとに紹介。本人および関係者のコメントなども提示することで、その活動の全体像や時代背景、羽良多自身の人物像を浮かび上がらせる。[アイデア サイトより]
北本らしい“顔”の駅前つくりプロジェクト本
これは北本らしい“顔”の駅前つくりプロジェクトを紹介するガイドブックです。第1部ではまちの顔となる北本駅西口駅前広場(以下:西口広場)の改修計画の概要を、第2部ではその顔を計画するために調べたまちの体(交通、商業、光、緑、ひと)を、第3部ではプロジェクトで制作したウォーキングマップを紹介します。[本書より]
以下のサイトからPDFがダウンロードできる。
・北本らしい“顔”の駅前つくりプロジェクト ブログ
シュルレアリスム展──パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による
「シュルレアリスム。私にとってそれは、青春の絶頂のもっとも美しい夢を体現していた」──マルセル・デュシャン 1924年、当時28歳の詩人アンドレ・ブルトンは、パリで「シュルレアリスム宣言」を発表、20世紀最大の芸術運動の口火を切りました。シュルレアリスムは、偶然性、夢、幻想、神話、共同性などを鍵に、人間の無意識の世界の探求をおこない、日常的な現実を超えた新しい美と真実を発見し、生の変革を実現しようと試みるもので、瞬く間に世界中に広まりました。シュルレアリスムの影響は、たんに文学や絵画にとどまらず、広く文化全域に、そして広告や映画などの表現を通じて21世紀に生きる私たちの生活の細部にも及んでいます。シュルレアリスムの中核を担った詩人や芸術家の多くにとって終の住処となったパリの中心部に位置する国立ポンピドゥセンターは、この運動についてのもっとも広範で多様なコレクションによって知られています。膨大なコレクションの中から、絵画、彫刻、オブジェ、素描、写真、映画などの作品約170点に、書籍や雑誌などの資料を加え、豊かな広がりを持ったこの運動の全貌をつぶさに紹介する展覧会が初めて実現しました。20世紀の芸術の流れを変えたシュルレアリスムを体験する絶好の機会といえるでしょう。[「シュルレアリスム展」公式サイトより]
けんちく体操
江戸東京博物館ワークショップから生まれた親子で楽しむ新しい体操。日本・海外の有名建築を身体を使い表現する。外観だけでなく、構造や用途、個人的に抱いた第一印象などで表現。発想力&表現力も鍛える、まったく新しい体操が登場。[エクスナレッジサイトより]
2011/06/15(水)(artscape編集部)
プレビュー:福村真美 展
会期:2011/06/21~2011/07/03
ギャラリーモーニング[京都府]
昨年の個展では、夏の木漏れ日や冬の曇り空、プールなどを描いた作品を発表。福村の描く光景とその色彩は、空気の温度や風の感触など、身体的な記憶をじわじわと刺激する。昨年末、同ギャラリーでのグループ展で発表された夜の風景を描いた小作品には脳裏にほのめく記憶のイメージや物語を想起させる儚い魅力があった。新作が並ぶ日が楽しみだ。
2011/06/15(水)(酒井千穂)
プレビュー:オン・ザ・ロード:森山大道 写真展
会期:2011/06/28~2011/09/19
国立国際美術館[大阪府]
東京を拠点に活動を行なってきた写真家・森山大道の個展。1965年のカメラ雑誌デビュー当時から現在までの軌跡を、おもな写真集10数冊の流れに即して顧みるという今展は、東京をテーマにした最新のカラー写真も紹介される。関西では初めての個展というのは意外だが、出品総数は400点以上というボリューム。その写真観や魅力も十分にあじわえそうだ。
2011/06/15(水)(酒井千穂)