artscapeレビュー

柳正彦『クリストとジャンヌ=クロード──ライフ=ワークス=プロジェクト』出版記念パーティー

2010年01月15日号

会期:2009/12/04

ザ・マーケットオークションギャラリー[東京都]

「これからクリストに会いにニューヨークへ行く」という青年を京橋の画廊で紹介されたのは、たしか1980年前後のこと。以来30年近くニューヨークに住みつき、クリスト夫妻の片腕としてそのプロジェクトを間近に見てきた柳正彦による、クリスト&ジャンヌ=クロード論の決定版。もっとも身近にいるひとりだけに、解説は微に入り細を穿ち、写真も最高のものを使っている。これをひもとけば、いかにクリストたちが現在のアートプロジェクトの先駆けとなっていたか、そして、いかに現在各地で行なわれているアートプロジェクトと落差があるかもよくわかる。柳にとっての、そしてなによりクリストにとっての痛恨の出来事は、2週間ほど前にジャンヌ=クロードが亡くなったことだ。

2009/12/04(金)(村田真)

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