artscapeレビュー
SYNCHRO-THEISM(シンクロ・ティズム):スピロデザイン(宇野裕美/河合晋平/常見可奈子)
2010年01月15日号
会期:2009/11/25~2009/12/06
海岸通ギャラリーCASO[京都府]
宇野、河合、常見はこれまで、動植物、細胞、微生物など、自然世界からインスパイアされた有機的なイメージのオブジェをそれぞれに発表してきた。互いの作品にシンクロニシティを感じて共同制作を試みたという今展は谷本研のコーディネートによる展覧会。タイトルの「SYNCHRO-THEISM」は、一神論とも多神論とも異なる新たな自然観を表わした造語で、“同期神論”という意味らしい。2つのインスタレーションがあったが《SYNCHRO-THEISM-X》は、まるで一人の作家の作品かと思うほど。宇野のファイバーアート、生きものに見立てた河合のオブジェ、常見の工芸的な要素が見事にひとつになって、奇妙な生物世界(イメージ)を創出していて、強烈な個性の集合でもこれだけ違和感のない作品ができるものなのかと感心してしまった。
2009/11/27(金)(酒井千穂)