artscapeレビュー
Google Wave
2010年01月15日号
実はまだ十分理解出きていないのであるが、せっかくわりと早い段階で招待状を頂いたので、現段階での理解を書いておきたい。使ってみたのは2009年秋以降に10万人に招待されたというプレビュー版であり、今後内容が変わっていく可能性はいくらでもあるだろうことをまず断っておきたい。基本的にはメールを進化させた新しいコミュニケーションツールであり、「未来の電子メール」と位置づけられるらしい。メールとチャットという、同期/非同期のコミュニケーションが共存し、また画像、動画、さまざまなガジェットなどを、任意の複数人で共有できる。Gmail+Google トーク+Googleドキュメントの一部を足しあわせたようなツールだと言えるだろう。使ってみた第一印象は、よく言われているように確かに複雑で分かりにくい感じはある。会話の構造がツリー上に展開していき、参加者がどこでも編集可能であるので、話の展開が見えにくい可能性はある。目的と使用方法が分からないと、多くの人は戸惑いを覚えるかもしれない。しかし、現在までに発展してきた多様なコミュニケーションシステムが統合される可能性に期待したい。リアルタイムのコミュニケーションは確かにそのとおりで、一文字書くと、未確定の変換候補すら相手に見えるくらいである。各種のガジェットでさまざまな拡張ができ、まだ入手できないが、Rosyという40ヶ国語の翻訳ガジェットは、例えば英語で書いたテキストをリアルタイムでフランス語に翻訳できる。言語を気にせずチャットが出来る環境が近づいているともいえよう。Google Waveの可能性は、まだ今ひとつつかみきれていないが、誰と、何を、いつ共有してコミュニケーションやコラボレーションをするかという選択肢が、ごくごく自然に思ったとおりにできるようになるのではないかと思っている。
URL:http://wave.google.com/
2009/12/29(火)(松田達)