artscapeレビュー
stream DEW 2009展
2010年01月15日号
会期:2009/12/18~2010/12/24
INAX:GINZA 7F クリエイティブスペース[東京都]
清水建設で生まれた縦割りでない設計部の新しいチーム「stream DEW」による展覧会。DEWとは「雫」のことであり、その流れが内部から設計を変革することを目的として結成されたという。stream DEWの関わった三つのプロジェクト、《清水建設新本社》《大阪富国生命ビル》《富士ゼロックス統合R&Dセンター》が展示紹介された。いずれも超巨大プロジェクト。確かにスーパーゼネコンの設計は、いわゆる建築雑誌の中では地味に見られがちかもしれない。しかし決してそうではなく、背後のアイディアの斬新さとノウハウの蓄積を力強く表現した展覧会だった。巨大プロジェクトに二十代の若手を抜擢する、高層オフィスの外周部を通路とする、海外の建築家と組んで設計を行なうなど、それぞれのプロジェクトでかなり大胆な勝負をしていることも伺えた。普段知られることの少ないゼネコン設計部の内部を知ることができたのはとても新鮮だった。(なお、12月18日には、藤本壮介 x 五十嵐太郎 x stream DEWによるトークセッションが開かれ、アトリエとゼネコンの最前線による刺激的な対話が生まれていた。)
2009/12/18(金)(松田達)