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せんだいスクール・オブ・デザイン 2010年度秋学期成果発表シンポジウム

2011年03月15日号

会期:2011/02/17

せんだいメディアテーク 1Fオープンスクエア[宮城県]

第一部は、せんだいスクール・オブ・デザインの第一期の各スタジオによる発表が行われた。Futureラボを担当した石上純也と平田晃久も駆けつけたが、二人のスタジオの成果は、それぞれ彼らの特徴がよく反映されていたのが印象的だった。五十嵐スタジオでは、文芸批評誌『S-meme』を制作したが、右から開くと、縦書きで非仙台サイドの特集「ウェブの時代に紙の媒体ができること」、逆に左から開くと、すべて横書きの仙台サイドの内容になる。受講生のグラフィックデザイナーと製本部の協力によって、手品みたいな特殊装幀の本を実現した。なお、2月4日の学内発表会では、本屋のフィールドワークで知ったビッグイシューのユニークな販売員、鈴木店長を招き、大学で実演販売を試みた。彼がすごいのは、こちらが関心あるテーマを伝えると、だったら何号と何号のこれ、と即座に返答し、バックナンバーをすぐ取り出せること。過去の内容をすべて記憶しているのだ。まさに本屋の原点であり、未来の書店を先どりしているように思われた。
その後、第二部としてパネルディスカッション「デザイン教育のグローバルビジョン」が開催された。阿部仁史はUCLA学科長として優秀な教員確保も兼ねて、外部の企業と連携していく大学の戦略を語り、アーティストの中村政人は3331Arts Chiyodaや富山のヒミングなど、地域を活性化させる大学外の活動を紹介し、文部科学省の神宮孝治は大学教育の現状を報告し、せんだいスクール・オブ・デザインをいかに継続させながら、地域とのつながりをつくっていくべきかが討議された。

2011/02/17(木)(五十嵐太郎)

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