artscapeレビュー

ゆきのことば──長尾ふみ展

2011年03月15日号

会期:2011/02/22~2011/03/06

gallery morning[京都府]

大阪成蹊大学芸術学部4年生の長尾ふみ。雪景色を描いた作品が並ぶ個展だった。精緻にその情景を描き出そうとする、というよりも、自らの目に映る光や水の輝き、冷たい空気や高い湿度の肌触りなど、微妙な一瞬の印象を画面にとどめようとするような、身体的感覚をともなう瑞々しさが感じられる長尾の作品は、同時にはかなさもたたえている。同時期に京都市美術館で開催されていた卒業制作展には150号のキャンバス2枚をつなげた大作が展示されていてそれもまた美しい風景だったが、描写力の高さとその説得力が立って見えたそれよりも、こちらの個展会場で発表された小さな作品の方が個人的には好き。今後の活躍も楽しみな人だ。

2011/02/24(木)(酒井千穂)

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