artscapeレビュー
タムラサトル展 100の白熱灯のための100のスイッチ
2011年03月15日号
会期:2011/02/05~2011/02/23
Bギャラリー[東京都]
ゆっくりと水平に回転する金属棒の左右に針金状の棒が50本ずつ立ち、その背後からたくさんのコードが出て100個の白熱灯につながっている。金属棒が回転して針金をなぎ倒すと白熱灯が次々に灯り、針金が元に戻るときに揺れると点滅し、やがて消える。つまり針金の下にスイッチが仕掛けてあり、金属棒の力でスイッチがオン/オフになることがわかる。いってしまえば、運動エネルギーから光エネルギーへの変換を視覚化して見せてるわけだ。人間の目は光に敏感なので、こういう装置ではまず白熱灯の光に引きつけられ、その原因として金属棒や針金の動きを見るものだが、ここでは金属棒と針金の動きを前面に出すことでまず原因を明らかにし、その結果として背後の白熱灯を光らせている。最初からタネ明かしをしているマジックみたいなものかも。
2011/02/13(日)(村田真)