artscapeレビュー

伊東豊雄事務所設立40周年創立記念パーティ

2011年03月15日号

座・高円寺[東京都]

驚くべきイベントだった。冒頭、伊東豊雄による北島三郎の熱唱に始まり、途中はスタッフによるKARAのダンス、ラストはこれまでの伊東事務所の所員がみなステージに上がり、歌とダンスで大団円のフィナーレを迎える。しかし、メインは三部構成のシンポジウムだった。
第一部は藤森照信が聞き手となって、磯崎新と石山修武の話を引きだしながら、伊東の70年代~80年代をふりかえる。モダニズムに反逆し、なぜ建築が閉じたのか、という質問からスタートし、最後に磯崎は「消費の海に浸らずして新しい建築はない」の論文で、伊東はいまの伊東になったと述べる。
第二部は、転換となる作品、せんだいメディアテークをめぐって。大西若人が現仙台市長の奥山恵美子に、当時の行政サイドの苦労話をきく。続いて、塚本由晴が原広司に、情報の建築について意見をうかがう。第三部は、伊東自身が中沢新一をゲストに迎え、これからの建築について討議を行う。今後、伊東は建築塾を通じて、若い人と新しい世紀の空間を考えると表明したことが印象的だった。

2011/02/21(月)(五十嵐太郎)

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