artscapeレビュー
コレド・ウィメンズアートスタイル
2011年03月15日号
会期:2011/02/15~2011/03/14
コレド日本橋をメイン会場にした女性だけの展覧会も今年で3回目。まいど感じるのは、こういう場所に作品を置くのは難しいということ。カゲキなものをやろうとすれば止められるし、場所に合わせようとすれば目立たなくなる。そのため、どっちつかずの中途半端な作品が多くなりがちだ。鈴木紗也香の絵やフジモトアヤのファブリックは、作品そのものは美しいし、場所にも合っているが、それだけに商品広告と見間違えかねない。その点、遠目には人が並んでるように見えながら、近寄ってみたら表面に新聞や雑誌の広告ページを貼りつけたハリボテだったという富田菜摘の人体像は、一見ユーモラスな表情の下に不気味なグロテスクさとシニカルな批評精神が感じられ、秀逸であった。この作品はほかのと違って、ギャラリーよりこういう人のいる場所に唐突に置いたほうが効果的だと思う。
2011/02/18(金)(村田真)