artscapeレビュー

ホンマタカシ「ニュー・ドキュメンタリー」展/高嶺格「Good House, Nice Body ~いい家・よい体」

2011年04月15日号

会期:2011/01/08~2011/03/21

金沢21世紀美術館[石川県]

ホンマタカシのニュー・ドキュメンタリー展を見る。最終日のため、長蛇の列。双眼鏡の部屋は時間がなく、見ることができなかった。東京の巡回展で見ることにしよう。狩猟の後、生き物の血が白い雪に残る「trails」やロサンゼルスの野生動物の「wild corridors」と、人工的な風景であるマクドナルドのMシリーズが対比的で興味深い。
同時開催の桑山忠明展は、ミニマルな立体を反復することにより、金沢21世紀美術館の空間がきわだつような作品である。しかし、部屋に入るたび、監視員から作品には近づくなと必ず注意される鑑賞システムは、なんとかならないものか。鑑賞者を信じない、この警告を聞くこと自体が、作品の一部に組み込まれているかのようだ。
高嶺格の展示「いい家・よい体」は、二度目の訪問だ。ワーク・イン・プログレスなので、作品も少し変化。昨年、高嶺さんから海外での展示で、土嚢を使いたいという相談のメールをもらい、渡辺菊眞さんという建築家がいると教えたのだが、その後、二人のコラボレーションが続き、この作品に至ったようだ。廃材を活用し、反・現代住宅的な空間が、プロジェクト工房にて出現している。

2011/03/21(月)(五十嵐太郎)

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