artscapeレビュー

「ヨコハマトリエンナーレ2011」記者会見

2011年04月15日号

会期:2011/03/11

外国特派員協会[東京都]

会見場へ行くため有楽町駅前を歩いていたとき、大地が揺れた。有楽町駅は老朽化した高架のため電車が落ちてきたら困るので、なるべく駅から離れようとするが、反対側の高層ビルからガラスの雨が降ってきても困るので、道の真ん中へんにいることに。久しぶりぶりだなあ身の危険を感じたのは。不謹慎ながら、こういうときってアドレナリンが噴出してパカッと覚醒し、生きてることを実感するんだよね。揺れが収まってビルの20階にある会見場に行こうとするが、エレベータが動かず、関係者とともにしばらく待機。この間に美術評論家の中原佑介死去の報が飛び交う。結局、記者発表は中止となり、資料をもらって六本木まで歩いて帰宅。家のなかは食器棚から皿やグラスが半分くらい飛び出して床に破片が散乱、自室は数千冊の雑誌やカタログ類が膝くらいの深さまで万遍なく床に降り積もってまるで本の海。本が液状化することを初めて知った。しかしこの時点ではまだこれほどの大災害になるとは思いも寄らなかった。ヨコトリのほうはといえば、海外のアーティストが参加を尻込みしているとか、8月開幕なのに冷房が使えそうにないから延期だとかいろいろウワサが飛び交ったが、いちおう予定どおりやるみたい。

2011/03/11(金)(村田真)

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