artscapeレビュー

パラレルプラン

2011年04月15日号

会期:2010/12/18~2011/03/20

金沢美術工芸大学アートギャラリー[石川県]

パラモデルの個展。弟夫妻と金沢21世紀美術館を訪れた後、片町にある会場に足を延ばした。金沢21世紀美術館の「ホンマタカシ──ニュー・ドキュメンタリー」には「面白いような、面白くないような。アートはやっぱり難しいな」と若干“アレルギー”反応を見せていた弟だが、こちらの会場を歩き回っているうちに子どもの頃に見ていたアニメや集めていたプラモの話などをし始め、機嫌が良くなった。弟は大きな展示台の上にずらりと並んでいたプラモデルのキット、家屋の間取り図をつなげた作品や床に並ぶトミカなどから私にはない快い記憶がくすぐられたよう。私自身は おもちゃ類が整然と並ぶその展示にはパラモデルならではの偏執的な迫力や妄想的な世界の広がりといった魅力はあまり感じられず、物足りない気がしたが、設計図面や見取り図をイメージさせる作品を中心に構成されていた今展にはプラレールを使ったインスタレーションはなく、これまでとは異なる新鮮な印象もあった。

2011/03/05(土)(酒井千穂)

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