2021年04月15日号
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artscapeレビュー

レンブラント 光の探求/闇の誘惑

2011年04月15日号

会期:2011/03/12~2011/06/12

国立西洋美術館[東京都]

同時代のフェルメールほど人気急上昇というわけにはいかないけれど、レンブラントも一定の支持を得ているわけで、日本でも数年にいちど大きな展覧会が開かれてきた。そのつど「光と影」をテーマにしたり、弟子たちとの関係に焦点を当てたりしてきたが、今回は「版画」。たしかにレンブラントは版画家としても卓越した才能を発揮したし、和紙を使ったことも興味深いけど、油絵に比べれば量産されてるし、それだけ安いし、色もないし、ちょっとお手軽感があるし、なんかサイドビジネスって感じがするんだなあ。同じ版による別刷りを2、3点並べられても、研究者には垂涎ものかもしれないけど素人は楽しめないよ。やっぱりレンブラントといえば重厚な油絵をがっつり見たいと思うのだ。もちろん、若いころの自画像ともいわれる《アトリエの画家》とか、絶頂期のころの《書斎のミネルヴァ》、愛人の肖像《ヘンドリッキェ・ストッフェルス》など胸やけしそうな油絵も、数は多くないけど何点か出ているので不満はないが。それにしても、この直後の原発事故から停電騒ぎを経たいまとなっては、「光の探求/闇の誘惑」というサブタイトルは皮肉としかいいようがない。

2011/03/11(金)(村田真)

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