2020年08月01日号
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artscapeレビュー

2011年05月01日号のレビュー/プレビュー

極並佑展「彷徨うシンデレラ」

会期:2011/04/16~2011/05/28

イムラアートギャラリー京都[京都府]

太い輪郭線、平面的な彩色、顔の部分が見えない人物が特徴だった極並佑の絵画。しかし新作では、背景の部分が具象的な表現になり、作風に変化が生じていた。それは、以前の作品が持っていた無機質さから、さざ波のような不穏な気配への変化であり、ある種の物語性が発生することによる作品と観客の距離間の変化である。彼の作品をもって、現代人の曖昧で希薄な人間関係を示唆しているという指摘があるが、果たしてそれだけだろうか。自分自身、まだ言語化はできていないが、より深い解釈がまだ残されている気がする。極並の作品はまだまだポテンシャルを秘めているのではなかろうか。

2011/04/19(火)(小吹隆文)

プレビュー:森口ゆたか あなたの心に手をさしのべて

会期:2011/04/29~2011/06/26

徳島県立近代美術館[徳島県]

人と人との触れ合い、愛情の交感をストレートに表わした映像インスタレーションで高い評価を受けている森口ゆたか。以前はオブジェや映像、鏡を組み合わせて存在の不確かさを表現していたが、1998年から約2年滞在した英国で目にしたホスピタル・アートに衝撃を受ける。帰国後は日本でホスピタル・アートを広めるNPO活動を行なう傍ら、自身の新たな作風を深めてきた。本展では、《TOUCH》《LINK》《光の刻》などの近作をまとめて展覧。寛容な慈愛の精神を喚起する作品は、きっと多くの人の心を揺さぶることだろう。

2011/04/20(水)(小吹隆文)

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プレビュー:川島小鳥 写真展「未来ちゃん」

会期:2011/05/10~2011/05/17

HEP HALL[大阪府]

佐渡島に住むひとりの女の子を捉えた写真集『未来ちゃん』で話題沸騰の川島小鳥が、その作品を携えて大阪で個展を開催。天真爛漫で、元気で、何よりも「もー、たまらん!!」な可愛さに満ち溢れた作品で、きっと関西のファンを瞬殺してくれるだろう。初日には川島としまおまほによるトークイベントも開催。また、会場から地下鉄で一駅のCalo Book shop & Cafeでは、川島のデビュー写真集『BABY BABY』の個展も開催される。

2011/04/20(水)(小吹隆文)

プレビュー:THE OSAKAN DREAMS

会期:2011/05/04~2011/05/17

JR大阪三越伊勢丹6F「アート解放区」、同3F「DMO ARTS」[大阪府]

4つの百貨店が相次いで開業、リニューアルオープンし、経済誌等で「百貨店戦争」などと喧伝されているJR大阪駅周辺。その一角として5月4日にオープンするJR大阪三越伊勢丹には、百貨店の美術画廊とは別に「DMO ARTS」という画廊がオープンする。ここは大阪のラジオ局、FM802が主宰するアートプロジェクト「digmeout」が運営する店舗で、今まで同プロジェクトが発掘してきた作家の展覧会を行なうほか、同一サイズのエディション作品を9,800円均一で販売する「My First Art」など、既存の画廊ビジネスとは異なる展開が予定されている。果たして新規のマーケット開拓は成功するのか!? 5月以降「DMO ARTS」の動向に大きな関心が注がれるのは間違いないだろう。初回の展覧会は「THE OSAKAN DREAMS」。大阪市内の4画廊との共同開催で、若手9作家を紹介する。

2011/04/20(水)(小吹隆文)

プレビュー:没後100年 青木繁 展──よみがえる神話と芸術

会期:2011/05/27~2011/07/10

京都国立近代美術館[京都府]

青木繁といえば《海の幸》や《わだつみのいろこの宮》などの傑作が思い浮かぶ。しかし、彼の作品をまとめて見た機会はない。そもそも展覧会が滅多に行なわれない彼の、なんと39年ぶりの回顧展が関西にやって来る。青木の展覧会が関西で行なわれるのは初めてではなかろうか。伝説的なエピソードに彩られ、実像がよく分からなかった作家の真価を知る絶好の機会である。今回を見逃すと次は何十年後になるか分からないので、しっかりと目に焼き付けておくつもりだ。

2011/04/20(水)(小吹隆文)

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