2018年10月15日号
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artscapeレビュー

生誕150年記念 中村不折の魅力

2016年05月15日号

会期:2016/04/30~2016/07/24

中村屋サロン美術館[東京都]

生誕150年というから黒田清輝と同い年。パリに留学し、ラファエル・コランに師事したというのも黒田と同じ。なのに黒田と大きな差がついたのは、不折の留学が黒田より20年近く遅かったこと、もうそのころには帰国した黒田の尽力により曲がりなりにも近代絵画が根づき始めていたこと、新派と呼ばれた黒田に対して不折は旧派の画家に学んだこと、「書は美術ならず」といわれた時代に書も手がけたこと、要するに時代に乗り遅れたってことだ。でもその屈折した心情が絵に奥行きを与える場合もあるからおもしろい。同展は油絵15点ほどに人体デッサン、水彩、水墨画、本の表紙絵、中村屋の看板まで約50点の中規模な展示。

2016/04/28(木)(村田真)

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