2021年12月01日号
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artscapeレビュー

野村誠 個展「オルガニック・ベジタブル」

2013年11月15日号

会期:2013/10/01~2013/10/06

アートスペース虹[京都府]

鍵盤ハーモニカの奏者でありピアニストでもある音楽家の野村誠。幅広い活動を展開しているがギャラリーで個展を開催するのは今回が初めてだそう。今展では野菜を育てるなど、野村が世話をしている畑(の作物)と音楽、美術をつなぐことをテーマに作品展示が行なわれた。同ギャラリーのオーナー宅に40年間眠っていたという古い足踏みオルガンが中心に置かれた会場には、ドローイング、マケットで叩く打楽器としての瓦、五線譜を刺繍した数十メートルの布に植物の種子などを音符として配置した「楽譜」の作品などがインスタレーションされていた。会期中、野村はほぼ毎日在廊。私が訪れたときも和やかな雰囲気のなかでオルガンの即興演奏が行なわれていたのだが、ここでは一緒に聴いていた人たちが野村の演奏にあわせ、側にあった瓦を叩いてセッションを始めるという場面にも遭遇。楽しくて私もついマケットを手に取って参加してしまった。新たな音楽や交流が生じることの幸福感もさることながら、インスピレーションの連鎖反応を誘発する展示空間が新鮮で愉快だった展覧会。


会場風景

2013/10/03(土)(酒井千穂)

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