2021年12月01日号
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artscapeレビュー

あいちトリエンナーレ2013 パフォーミングアーツ ARICA+金氏徹平「しあわせな日々」

2013年11月15日号

会期:2013/10/12~2013/10/14

愛知県芸術劇場 小ホール[愛知県]

ARICA+金氏徹平「しあわせな日々」は、身体がほぼ埋まった異常事態にもかかわらず、些細なことをしゃべり続け、日常の所作を維持しようとする女を描く、ベケットを原作にした演劇である。今回は、金氏徹平が舞台装置を担当したが、いつものカラフルなお菓子細工のような、食べられそうな雰囲気とは違うタイプの作品をつくり、それが秀逸だった。これがNHK紅白歌合戦での小林幸子の身動きできぬ巨大ドレスのような、被災物の集積にも見える身体の鎧である。「しあわせな日々」において、安藤朋子は動けないから上半身だけ、そして最後は頭だけで演技を行なう。今回のトリエンナーレでは、梅田宏明も、立ち位置をほとんど変えずに踊った。田尾下哲による「蝶々夫人」と朗読劇も、立ち尽くすシーンが重要である。立つという意味では、「われわれはどこに立っているのか」というテーマと呼応し、片山真理、クリスティン・ノルマン、ミハイル・カリキスも場所に立つことをめぐる作品だった。

2013/10/13(日)(五十嵐太郎)

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